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若手会員育成支援基金 ご報告

内容

日本パシイワ若手会員支援基金のご報告                                 
女性を取り巻く状況に関して世界で問題となっていることは何か、どんな議論がなされているのか、もっと知識を深めたい、そうした活動をする世界の人々と交流したい、将来国際機関で働きたい。そんな希望をもつ若い会員の国際的な活躍を願う、会員からの寄付による「若手会員支援基金」。今年も昨年に引き続き、「国連女性の地位委員会(CSW)」参加希望の若手会員支援のために有意義に使われました。
2018年第62回CSWには計7名からの問い合わせを受けましたが、その中から3名を選出、1人5万円の若手会員支援金を贈呈しました。この支援により、国連本部内施設への通行の許可証をもつことが可能となり、通常では出来ない国連本部大会議場での傍聴、日本政府とNGOの連携イベントの補助、政府国連代表部ブリーフィング、世界のNGO参加者が国連の合意結論に関与する機会となる早朝に開かれるNGOブリーフィングなどを経験することが出来ました。詳細は以下のレポートをご覧下さい。(柳下真知子)

「想いは一つ。そして発信へ」
                          神戸女学院大学 文学部英文学科 田村 早耶

 2018年3月11日から23日まで国連本部にて開催されました第62回女性の地位委員会(CSW)に参加してまいりました。CSWでは世界各国からのNGOが一堂に会し各国の女性を取り巻く状況、そして改善策についての議論を交わします。なぜ私がCSW62への参加を決めたのか、まずはその経緯をお話しさせていただきます。
 私の父は、典型的な亭主関白で、いまだに男尊女卑の考えを持っています。私は幼い頃から、父が「これだから女は、、、。」「どうして女は、、、なんだ。」「これは女の子にはできないぞ。」と言っているのを何度も聞いてきました。どんなに父が母を傷つけるような発言をしても、今更父に言い返したところで、父は何も聞いてくれないだろうと半ば諦めた様子で、母は父に一切何も言いませんでした。私も何度も今日こそは父に言い返そう、と思っても、いざとなると勇気が出ずに結局は涙を流すことがほとんどでした。何も言い返さない母と何もできない自分に苛立ちを覚えたこともありました。しかし、私も今年で二十一歳になり、1人の大人の女性へと成長しました。「これ以上私の母のように声を上げずに苦しむ女性を増やすわけにはいかない。なんとしてでもそのような女性の力になりたい。」そう強く思い始めました。そして、大学に入りジェンダー問題を学ぶにつれて、女性が世界中で直面している現状を変えること、そして行動を起こすことが、1人の娘として、女性として、社会の一員としての私の義務なのではないかと考えるようになりました。しかしながら、今の私にはどのように行動を起こしたら、社会を変えることができるのか、なかなか一人では答えを見出すことができませんでした。そんな中で、パシイワを通してCSW62の存在を知り、それに参加することが今の私に必要な行動を起こすためのビジョンを見つける絶好の機会になると思い、参加に至りました。

 今年のCSW62のテーマは「農村漁村の女性・女児のジェンダー平等とエンパワーメント達成のためのチャレンジと機会」でした。主に途上国または新興国においての女性の境遇について知る機会が多く、私もアフリカや中東の国々主催のイベントに多く参加いたしました。その1つとして、ウガンダ政府主催のサイドイベント「ウガンダにおけるジェンダーと公平な予算編成を通した女性の生活の転換」では、ウガンダ女性の多くが農業と家事に従事しているという現実から、生活の安定を目指すことで女性が過重労働をしなくてもよい環境づくりを政府が促進しているとのことでした。その他中東のサイドイベントなどでも法改正への取り組みなど、少しずつ前進している様子をうかがうことができました。
 色々なイベントに参加した中で感じたことを大きく2つに大別すると、同じ農村地域でも国によって格差が激しいため、同じ目標である “女性のエンパワーメント” でも重点がかなり異なるということ。そして、宗教や文化などのバックグラウンドが異なるため、それらを理解した上でその国々に適したアプローチ方法が必要だということです。1つ目に関して、途上国や新興国では農業に携わる女性の生活の基盤を作り、守ることから始める必要があり、先進国では農業に携わる女性のビジネス進出など、行政や民間との連携を促進することに重きが置かれていました。また2つ目に関して、国ごとに宗教や文化が異なる世界で、それに対する理解を伴わない解決策を提示したところで本当にその国の女性の為になるのかと疑問に思うことがありました。世界中から政府関係者やNGOを含む活動家が集う場で、新たな知識や情報、そして視点を得ることが多かったと同時に、多種多様な価値観を持つ国同士が同じゴールに向かって足並みを揃えることの難しさを目の当たりにしました。
 しかしながら、女性のエンパワーメントを達成したいという想いは国籍も人種も文化も宗教も関係なく同じ人間として、CSW62に参加した人皆が思っていることだと、会場の熱気を通して伝わってきました。もちろん、会場にいた人達だけではなくそれぞれの国や地域でNGOや個人で活動されている方も同じ気持ちだと思います。今回、VISAが下りずに参加できなかった方々がいるというお話を幾度か伺いました。その方々の心情を想うと居た堪れない気持ちになりましたが、その分会場にいる人たちが一致団結してCSW62を意味のあるものにしようという動きがあったのではないかと思います。実際、Youth Dialogueでは空席にDENIED VISASと書かれた貼り紙が貼られており、彼ら彼女らも一緒に参加しているのだと実感しました。まさにLEAVE NO ONE BEHINDと掲げているように、誰一人忘れることなくCSW62が開催されたように思います。このCSW62という場は、ただ単に世界各国から政府関係者やNGOが集って情報交換、そして議論をする場だけではなく、そこから発信して次へ繋ぐために必要不可欠な場なのだと思いました。

 日本においてはCSWの認知度、そしてジェンダーへの意識はまだまだ高いとは言えず、私の周りにも知っている人の方が少ないのが現状です。そこで私の今後の課題は「発信」することにあるのではないかと思っています。このような貴重な経験ができたことをそのままにしておかず、学んだことを感じたことを共有すること、そしてまたこのような場で世界に対して発言する力を身に着けていかなければいけないと思っています。
 最後になりますが、この度CSW62に参加できましたことはパシイワ会員の皆様のおかげであり、心から感謝申し上げます。

「自信を持って自分の意見を」

                         神戸女学院大学文学部英文学科 山本 輝愛

 この度は、ニューヨークの国連本部にて開催された、『第62回女性の地位委員会』に参加し、農村女性と女児のジェンダー平等とエンパワーメント実現への課題と機会といったテーマについて学ぶ事が出来ました。参加報告にあたり、Youthの一員としてCSW62に参加出来た事、またご支援をして頂きましたパシイワ会員様に御礼申し上げます。
 私は、大学生活において、世界における問題について学んでいますが、授業内で資料や写真やデータを見るだけで、ここから世界における問題に向き合う事の難しさを感じ、また実際にこの足でどこかへ出向き、目で見て、感じるという行為を一度もしたことが無かったため、自由な日々の中で、私はすごく刺激が欲しい、何か行動をしたいと思ったときに、ゼミの先生からCSW参加を支援するというプログラムについて教えてもらい、これだ!と思い参加させて頂きました。何もかもが制限されない、アジアの人たちと交流が出来る、また、国連の中に入るという、一生に一度もないだろうと思われる体験を、この20代の私が体験できるというのは、素晴らしい機会になるのではないだろうかと思いました。
 このような思いで臨んだ、私にとって初めての国際会議はとても新鮮で刺激的で、充実した毎日を過ごすことが出来ました。1日の始まりは8時半からのモーニングブリーフィングで、様々な人が挙手をし、声を上げる事の出来る会議の雰囲気はとても開放的で、とても良い印象を受けました。また、午後からは興味のあるThe voice of rural women / On girl’s education and women’s empowerment / Transforming lives of rural women and girls 等といったサイドイベントに足を運び、女性を取り巻く状況に関して世界で問題になっていることについて理解を深める事が出来ました。また、私自身が大学では女性として自分の立場をどのように表現するかといった事に焦点を当てて考えるゼミに所属しているので、この国際会議に出席し、見たもの、聞いたものは最高の資料になり、また今後の課題を考えなければならないと思いました。
 他にも、Consultation day、日本政府・NGO主催のサイドイベント、日本政府のブリーフィング、PPSEAWA Parallel Event、PPSEAWA 90th anniversary、Youth Dialogue等の様々なイベントや機会が設けられており、どれもが私を熱くさせてくれました。なぜなら、自分は英語をずっと勉強してきているのに、100%で理解する事が出来ないもどかしさや、発言の機会があったYouth Dialogueでは、自分の発言に自信が持てなかった事のもどかしさに、直面しましたが、やはり、世界中の幅広い世代の女性が女性の問題について考え、声をあげ発信しているその様子が、女性の一人として、女性は皆、こうあるべきだと思いました。こうした刺激がたくさんある中で、私はもっと若者が参加し、意見を発信していく事が今後、必要になってくると強く感じました。
 国際会議に参加したこの経験を通して、もっと世界の理解を深めて、勉強をして、自分の意見を胸張って言えるような自信を持った自立した女性になり、世界とのつながりを大切にしていきたいと思いました。
 最後になりますが、CSW62に参加させて頂きました事に感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

「男性を巻き込んだ議論を」

                         慶應義塾大学法学部政治学科 若林絵里香

 この度は、パシイワのユース代表として、第62回国連女性の地位委員会(CSW62)に派遣していただき、誠にありがとうございました。このように大変貴重な学びの機会を設けて下さったことに、改めて感謝申し上げます。

 この会議に参加できたことがいかに恵まれたことなのか、特に現地に到着してから、実感しました。というのも、CSW62が開始する前のオリエンテーションのようなイベントにあたる「コンサルテーション・デー」、およびその後会議が開始してからも、しばしばビザの承認が問題として取り挙げられていました。世界中に、この会議に参加することを理由に申請したビザが、アメリカ政府に認めてもらえず、渡航できなかった人が多くいたそうなのです。自分がここにいる事の価値を自問自答しながら、来たくても来ることのできなかった人々がいる事を念頭において、たくさん吸収して帰りたいと強く思いました。

 そもそも、今回CSW参加に応募することに至ったのは、私は近い将来、国際ジャーナリストという立場から、声の届いていない人々の現状を発信し、現地の人々と国際社会を結ぶことで、国際協力に携わりたいという目標があったからでした。その目標を実現するために、大学では政治学を専攻し、学内外で社会情勢への知見を広げるべくして、様々な活動に従事してきました。そうして、勉強や課外活動の経験を積んで行く中で、また、自分自身一人の女性として日々の生活の中でジェンダーに基づいたハラスメントや劣等感を感じた経験から、ジェンダー問題に関する意識が強まりました。自分の生活圏外ではどのようにジェンダー問題が捉えられ、どのような取り決めのもとで、問題改善への活動が行われているのかが知りたいと思いました。

 そのようにして始まったCSWでしたが、私は今回のカンファレンスで、いくつかの衝撃を受けました。まず、CSW62の開会式にあたるようなイベントで、国連本部のジェネラル・アセンブリー・ホールで行なわれた「オープニングセッション」にて、UN Womenの事務総長であるプムズィレ・ムランボ=ヌクカ氏が、挨拶のスピーチの中で次のように述べました。

“Unless we accelerate our efforts, it will take 217 years to achieve full gender equality.”

この発言には大変驚きました。彼女の見解によれば、このまま現状のペースで進めば、世界における男女平等を実現するには、あと217年もかかるというのです。確かに、日々の生活の中でも、まだまだ男女格差があることは自分の身をもって感じます。ですが、今はデジタル化が進み、情報が簡単に行き渡る世の中になりました。そのおかげで、人権に対する普遍的な認識や枠組みを作り上げることが、以前よりも簡単にできるようになっているのではないかと私は考えていました。しかし現状は、そう甘くはありませんでした。

今回のCSWで、このように私は主にデジタル化がジェンダー問題にどのような影響を与えているのかということに興味がありました。そのため、優先テーマは「農村女性と女児のジェンダー平等とエンパワーメント実現への課題と機会」でしたが、あえてレビュー・テーマだった「メディア、情報、コミュニケーション技術への女性の参加とアクセス及び女性の地位の向上とエンパワーメントのための活用とインパクト」に沿ったイベントに多く参加しました。その結果、メディアの技術が発展したとはいえ、まだまだ世界においては、それに対するアクセスが行き渡っていないところが多くある事を学びました。

世界中の若者が集い、様々なテーマに関してディスカッションを行ったり、ワークショップを体験したりした「ユース・ダイアログ」では、各地域で活動をされている若い代表者によるトークセッションがありました。その中で、例えばシエラレオネでは有料のネットカフェでしかインターネットにアクセスが出来なかったり、学校にパソコン室があるが電気がつく時間が限られている地域があったりする事を知りました。フィジーではラジオが主流のメディア媒体で、携帯電話も少しずつ普及はしているが、サービスがまだ悪いことが良くあるそうです。ベネズエラでは電気不足やネット上の言語の壁に悩まされる先住民がいたり、ガーナではフリー・Wi-Fiが無かったりと、日本では当たり前のように手に入るツールを手に入れることが非常に難しい事を学びました。

また、そのアクセスにおいて、男女間で大きな差がある事も知りました。例えばインドでは、ジェンダーに基づいた役割分担がはっきりしているため、女性は家事で忙しく、男性に比べてメディアへのアクセスが制限されてしまうことがあるそうです。さらに、メディアのコンテンツも非常に偏っている事が、会議を通して言われてきました。例えば、国連本部外で行われたパラレル・イベントで、“The Depiction of Women and Women Leaders in Film, History and Society”(映画・歴史・社会における女性や女性リーダーの描写)というものに参加しましたが、そこではタイトルの通り、いかに女性の描写が様々な場面で男尊女卑的な観点でされているかが強調されていました。既存のメディアでは、そのコンテンツ製作者の大半が男性だったことから、どうしてもその内容も男性視点になってしまいます。言われてみれば当然のことです。映画やテレビドラマの主人公に女性や女の子が男性や男の子より少ないことが挙げられていました。こういった無意識な偏りが、視聴者にも伝わり、社会にも反映されてしまっていることに気がつかされました。歴史の描写も同じです。戦争体験を男性の視点から見ることは女性の視点から見るのとは大きく異なりますが、その語られ方に違いがあるそうです。女性によるストーリーテリングが増えることで、何か紛争の解決策や防止策を考える糸口が見つけられるのではないか、という話にはとても感銘を受けました。それを実現するためには、もっと女性の表現の自由が守られ、発信していくプラットフォームへのアクセスを確保していかなくてはならない事を強く感じました。

 逆にむしろ、情報過多でグローバル化が進む現在だからこそ生じる問題あることも知りました。例えば、私が参加した国連本部内で行われるサイドイベントの一つに、アイスランド政府主催の“Digital Gender Violence and Hate Speech”(デジタル・ジェンダー・バイオレンスとヘイトスピーチ)というものがありました。ここでは、いかに女性のジャーナリストが男性に比べてヘイトスピーチを受けやすいのか、という話がありました。アイスランドでは、すでに人口の98%の人々がFacebookを利用しているそうです。その分、女性に対するオンライン上での差別的な発言がしてやまないそうです。アイスランド政府のパネリストは、“The keyboard is mightier than the sword”(キーボードは剣より強し)という世界になっていると述べていました。しかし、これはあくまでも手段の話であり、このような問題が生じてしまう根本的な理由は、女性に対するリスペクトがまだまだ欠如してしまっていることだと思いました。そして、それを解決するためには、誰よりも男性を巻き込んだ議論を行うことが重要だと感じました。

初日の「オープニング・セッション」で、国連事務総長のアントニオ・グテーレスさんは、 “I am a proud and loud feminist”と述べました。これから、もっとそのような男性が増え、男女問わず、お互いの権利を主張することができる社会を強く願います。日本に帰国してきて早々、日々のニュースではセクシャルハラスメントに関する報道が耐えず、時にはウンザリすることがあるかと思います。それでも、CSW62で感じたポジティブなエネルギーを思い出し、これだけ多くの方々がより住みやすい社会のために活動されている事を原動力に、自分もこれから精進して参りたいです。

開催日2018年03月12日〜2018年03月23日
種別その他のイベント
会場ニューヨーク 室場:国連本部 (区外/)
料金有料 0円
対象会員限定

2017年国際パシイワ 中間(理事)会議

内容

タイ・バンコクにて国際パシイワの中間(理事)会議(Mid-term Council Meeting)が開催され、日本からは3名の理事とオブザーバー14名、計17名が出席しました。中間会議は、理事が前回の本会議の議事録を検討したり、次回の会議について話しあうのが主たる目的ですが、最近はより広く一般の参加を募り、交流を深めるということにも意義を見いだしているようです。

折しもタイは昨年10月のプミポン国王の崩御後、国中が一年間の服喪中であり、ドレスコードは黒基調との指定でした。しかしその中でも、会議場以外でのおもてなし、エクスカーションにまで隅々まで行き届いた心配りに、有意義で楽しい時間を過ごすことが出来ました。

次回は2019年に、台湾で国際大会本会議が開催される予定です。

開催日2017年08月07日〜2017年08月09日
種別その他のイベント
会場タイ バンコク 室場:シャングリラ・ホテル (区外/)
料金有料 0円
対象会員限定

若手会員支援基金のご報告

内容

CSW61参加者からの報告

若い会員の国際的な活躍を願うパシイワ会員皆様の寄付からなる「若手会員支援基金」。
今年は3月13日〜24日ニューヨーク国連本部で開催された「第61回国連女性の地位委員会」に参加を希望し審査をパスした5名の学生に支援金として一人5万円が贈られました。
応募資格は、会員であること(応募時に会員の推薦で会員となることも可能)、帰国後特別な事情を除いて、少なくとも 5 年以上会員として活動を継続できることです。また日英文のエッセイによる審査もありました。現広報委員長、書記も本事業の「卒業生」」です。
参加した5名のユース会員全員が会に先立って開催された「ユース・フォーラム」(3月11〜12日)に参加し、世界の若い熱気に刺激を受けたようです。詳細は以下の5名のレポートをお読み下さい。皆それぞれにCSWへの参加に意義を見出し、それを可能にしたパシイワの若手会員支援事業への感謝を折に触れ示していました。私たちにとっても嬉しく励まされることでした。
今後も本事業が皆様からの暖かいご支援を受け、より発展してゆくことを願ってやみません。私たちもユ−ス会員がイニシアティブをとれるような事業を増やしていきたいと考えています。(柳下真知子)

日本政府代表団の一員として参加した「Youth Forum」
                 東京大学教養学部教養学科4年 船引 はるか
2017年3月、ニューヨークの国連本部で開催された第61回国連女性の地位委員会(Commission on the Status of Women)に参加しました。世界中の政府関係者、NGO、民間セクターの方々が集い、ジェンダーにおける課題、特に今年のテーマである「変化する仕事の世界における女性の経済的エンパワーメント」について議論した場において、日本パシイワのユースとして、かつ日本政府代表団の一員として学んだことを報告します。主に、本会議に先立って開催されたYouth Forumに焦点をあてます。

◆Youth Forum概要
 Youth Forumでは、本会議にユースの意見を届けるために、様々な国のユースが集い、ジェンダー平等に関する課題(性的マイノリティー、貧困、難民、民族、多様性など関連事項も含め)の優先事項について議論し、本会議に提出する文書をまとめました。1日目はUN Womenの事務局長を始めとするハイレベルの方々によるスピーチやジェンダーの分野に関わる活動家のパネルディスカッション、テーマ別の少数でのディスカッションが行われ、2日目はパネルディスカッションの他、参加者間のノウハウの共有の場もありました。最後に、2日間にわたる議論をふまえた本会議提出用文書の一部が発表されました。成果文書の中で特にユースが押し出しているポイントは、ジェンダーは“binary(二つのみで構成される)”ではないということ、そしてジェンダー平等の実現には男性の参画が不可欠であるということ。また、ユースにはフォーラムの場で学んだことをそれぞれの地元に持ち帰り、変化を起こしていくという役割の重要性もフォーラム開催中、何度も強調されました。

◆学んだこと
 Youth Forumでは、ジェンダー平等のために活動する方々がなぜ活動するに至ったのか、実際にどのようなことをしているのか、そして「地域の人を巻き込めたか」等それぞれの成功要因について学ぶことができました。多くの方々のメッセージには世代間の協力関係の必要性が押し出されていました。
 日本政府代表としてのタスクはYouth Forumの記録をとること、そして機会があれば発言をすることでした。本会議と違い、各国代表が順に発表していく場はありませんでしたが、少数ディスカッションの際に日本の現状や文化について触れながら自分の意見を発信することができました。

◆これからの課題
 個人的な課題としては、相手の立場を念頭におきつつ、みずからの意見をしっかりと発信することです。政府関係者やNGOの代表の方を前にするとお話を聞くことに集中してしまいがちですが、それに留まらずに議論ができるようになる必要があると感じました。組織的な課題としては、日本のユースの意見が政府に、そして国連機関にさらに届きやすくなるようにユースが団結し、働きかけていく必要があります。そのためにもユース代表の制度は形式的なものにとどまらず、ユースが直接的に関われる制度となっていくことを期待しています。

積極的に問題について学ぶ
                 武蔵野大学政治経済学科4年生 千田 玲

私が一番印象に残ったイベントは、Consultation Dayである。Consultation Dayとは、CSWの会議を準備することと参加者間での相互作用を容易にすることを目的として開かれた。今回のテーマはCSW61の優先テーマに関連して、変化する仕事の世界での女性の権利と男女平等である。主な日程は、午前中にオマリー議長を含めた対談と様々な専門家を集めてのパネルディスカッションが行われ、午後はテーマごとに分かれてのディスカッションが行われ、その後再び全体で集まり、セッションごとの報告を行った。

パネルディスカッションにおける主な論点の一つは、女性の仕事の環境の改善の必要性であった。長時間労働や力仕事などの厳しい労働、また不当に安い報酬に対しては、公営企業や社会、制度によって環境改善を討論していくべきだとの意見が見られた。また、仕事に就く機会の平等については教育や奨学金制度の充実が重要であるという意見があった。さらに、CSW62の優先テーマ農業女性についても言及された。

CSW61参加の全体を通して、私が学んだことは積極的に問題について学ぶということである。今年の優先テーマ「変化する仕事の世界での女性の経済的エンパワーメント」ということで私が関心をもった事柄はインターネット上での問題であった。インターネット上の仕事は、その普及により仕事が多様化し容易に仕事ができ、時間もフレキシブルな理由から育児や家事をしながら行う女性が増えている一方で、制度がそうした技術の進歩が社会にもたらす影響に追いつけず、短期的でその結果、十分な身分保障がないまま仕事をしてしまう女性が増え、かえって女性の経済的自立などに悪影響及ぼしているという問題がある。加えて、Twitter等のSNSの普及によるネット上での性差別も問題になっている。このように、私たちが毎日のように使っているSNSやネットで、ヘイトスピーチやセクシャルハラスメントが存在していたことを私はCSWに参加して初めて知り、とても驚いた。普段SNSやネットを利用していても自ら関心を持って学ぼうとしなければ、身近なものでも気づけないと分かり、改めて学ぶことの重要性を実感した。そして、世界中の女性が女性に関する問題に関心をもって意欲的に学んでいる姿勢や、国際的な会議や討論を初めて目の当たりにすることができたことは、私にとって良い刺激となった。この経験を活かして私なりに勉強を続けていき、社会に何らかの貢献ができたらと思う。

最後にCSW中の天候について述べておきたい。3月のニューヨークはまだまだ寒さが厳しく、外で並ぶことも多いのでニット帽や手袋、ブーツなど防寒着は必需品であると思う。さらに今年はブリザードにより、ニューヨーク市は非常事態宣言となり、初めてCSWのイベントが一1日中止された。

若者の力を再確認
                 神戸女学院大学文学部英文科2回生 日野 玲

CSW61は私にとって初めての国際的な会議であり、とても刺激的な毎日でした。その中にはユースフォーラム、モーニングブリーフィング、サイドイベント等の英語が使われるものだけでなく日本の団体が日本人だけで集まる機会もありました。日本政府とNGO主催のサイドイベントでの役割の確認等を他のNGO団体とする機会もありました。国連日本政府代表部によるブリーフィングもそんな機会の1つでした。

内閣府や外務省、私たちパシイワや他のNGO団体等が集まり、CSW61での政府の関りの経緯や活動、合意文書作成の最新経過について詳しく聞くことができました。私たちはユースフォーラムに参加したことの報告をしました。パネラーに東アジアの人が少ないこと、様々な団体やCSW61自体がSNSを多く利用し積極的に若者を取り入れようとしていたこと、小学生くらいの小さな子どもも参加しており堂々と発言していたこと
等ユースフォーラムに参加して気づいたことを共有しました。若者の一人として意見を日本代表団に伝えることができてよかったです。日本代表団だけではなくいろんな団体が若者の力を必要とし大切にしています。他の団体の若い方ともこのブリーフィングで会うことができて、もっと自分も積極的に行動しようと思い、若者の力を再確認することができました。ユースからの報告だけでなく合意結論についても話し合い、私自身このような様々な団体の日本代表が集まる話し合いに参加するのは初めてだったので参加し緊張感を持った空気を味わうだけでとても刺激的でしたし、こうやって世界とつながっているのだと実感することができました。

他にも、国連本会議場での政府間会議の傍聴や様々なイベントに参加して、英語がわからずもどかしい思いもたくさんしました。また英語だけでなく世界情勢や人々の権利に関する問題等もっともっと勉強していかなければいけないと思わされる日々でした。残り二年間の大学生活が始まる前にCSW61に参加できたことは自分にとって大変貴重な機会でした。ニューヨークの地で学び、気づき、考えたことをこれからの日々にいかしていけるよう頑張りたいと思います。

拍手の力と若者が参加する意義
                 神戸女学院大学文学部英文科2回生 蒔田 小百合

私は2017年3月にニューヨークで行われたCSW61にYouthとして参加しました。このことに関する報告をするにあたり、まず今回このような機会を与えてくださいましたパシイワ会員の皆様に深く感謝いたします。
私は3月12日にニューヨーク市内のハンターカレッジで行われたConsultation Dayに参加しました。この参加を通して心に残ったことが二つあります。まず一つ目は、パネリストの皆さんの発言に対して共感することがある時、参加者の方々が拍手をおくる事です。いつも人の話は静かに聞かなければならないと考えてしまう私にとって、大変新鮮なことでした。そして、拍手をおくることで、聴者が会話に参加しているということを強く感じることができ、より刺激のあるものを生み出せているのだと思いました。もう一つ心に残ったことは、今必要なことは共存するための変化ということです。この日の話し合いの中で、例えば幼少期に女の子だから、男の子だからといっておもちゃを制限するのはよくない。選ぶ権利があり、お互いに尊重するべきである。という話がありました。幼少期のおもちゃを性によって制限する事は、女の子だから、男の子だから、という考えをもつきっかけになる事であり、そのことはおもちゃの選択だけにはとどまらず私たちの生活の様々な考え、価値観に影響を及ぼすのだろうと思いました。Women’s rights are human rightsということが当然のこととして実現されるには、男性の
なのだと、この日の参加を通して学びました。
 今回のCSW61の全体を通して強く感じた事は、若者の参加が必要とされているということです。若者の意見を取り入れること、どうそれを取り入れていくかが課題です。期間中に行われていたパラレルイベントでは若い人たちが行っているものもあり、国際連合の本部である場所で若者の参加が求められているということが日本でももっと多くの人に伝わり、日本からの参加がより活発なものになるように今後の活動を続けていきたいと思いました。


意見を述べることの大切さ
                 神戸女学院大学文学部英文科2回生 藤野 萌

 3月17日、日本政府主催のサイドイベントが開催されました。世界各国39カ国、計156名の方が参加し、少女、女性の教育、職場でのセクシュアルハラスメントや、マタニティーハラスメント、シングルマザーの状況などについて、セッションが行われました。日本の現状報告はもちろんのこと、他国の状況報告も交えながら、意見交換を行いました。
 教育面では、各国の報告と合わせて、JICA(国際協力機構)の支援報告もありました。日本をはじめとする世界各国で、どのような対策や支援が行われているのかを聞くことができました。
 また、代表者のみが発言するのではなく、参加者であったユース世代も明確に意見を述べ、セッションの参加者の一員として確立していました。
 開始時間経過後も多くの参加希望者が会議場の前まで詰めかけ、参加を希望する声が大きく聞かれました。様々な国の方が日本の政策に注目し、今回のサイドイベント「女性の経済力強化に向けての鍵」のテーマに関心を示していることがわかりました。
 3月11日から12日にかけて、Youth Forumが開催されました。多くのユース世代が参加し、全体でセッションを行った後、建物内の会議室にわかれて、トピックごとにミニセッションを行いました。私は暴力についてのセッションに参加し、ガールスカウト世界連盟の代表派遣団によるVoice Against Violenceという教育プログラムに参加しました。
 暴力の種類、起因や対策についてグループごとにディスカッションを行い、模造紙にまとめてグループ発表を行いました。自身がガールスカウトに所属し活動していたことで、プログラムの内容を理解し、ディスカッションに参加することができました。小さな子どもも参加していましたが、自分の意見をはっきりと述べ、一員としてしっかりと参加することができていて感心しました。

開催日2017年03月11日〜2017年03月24日
種別その他のイベント
会場ニューヨーク 室場:国連本部・その他市内施設 (区外/)
料金有料 0円
対象会員限定

若手支援事業

内容

ニューヨーク国連本部で「第61回国連女性の地位委員会(CSW61)」が開催されました。日本パシイワからは若手会員5名を含む7名が参加。「ユース・フォーラム」3月11〜12日)には若手会員が全員参加しました。

CSW61に参加する若手会員を支援するにあたっては、去年11月に応募要項を発表、日本語及び英語で応募理由、現在の活動報告を提出いただき、選考役員3名により書類選考、以下5名、千田玲さん(東京)、船引はるかさん(東京)、日野玲さん(関西)、蒔田小百合さん(関西)、藤野萌さん(関西)に決定、1人5万円を支給しました。

尚、うち1名、船引はるかさんは、日本政府代表団の初代ユース代表となり、会として栄誉あることとなりました。

CSWでは、国連本部で開催される政府間会議と並行して、世界各国の女性を取りまく課題に取り組む数百のNGO、活動家によるイベントが開催される他、国連本部大会議場での傍聴、日本政府とNGOの連携イベントでの役割分担、他国のパシイワ会員との交流、日本政府国連代表部のブリーフィング、CSW NGOによるブリーフィング、各国の人たちとのネットワーキング/レセプション(雪のため中止)もあります。「若い人に広く世界で活躍して欲しい」という会員の願いから設立された「若手会員支援基金」は、今年も有意義に使われました。

CSW61参加報告は会報でお知らせする予定です。

資料リンク: 昨年の応募要項はこちら。今年も同様の形で秋頃募集する予定 (PDF書類, 905,543 byte)

開催日2017年03月13日〜2017年03月24日
種別その他のイベント
会場ニューヨーク 室場:国連本部・その他市内施設 (区外/)
料金有料 0円
対象会員限定

マレーシア国際会議

内容

マレーシア・クアラルンプールのロイアルチュラン・クアラルンプールホテルにて国際大会本会議が開催され、13か国より総勢225名が出席し、日本からは13名が出席しました。

会議は"Respect for the Environment for a Sustainable and Peaceful Future" (持続可能かつ平和な未来のための環境への敬意・尊重)というテーマで行われ、メンバー各国からのパネルプレゼンテーションやディスカッションが行われました。

会議の締めくくりには、メンバー各国が、
 〆8紊盍超問題への取り組みに力を入れること、
 環境問題に対して女性の視点からの持続可能な解決策を模索し
  実行していくこと、
 女性の地位の向上のために取り組むこと 、
 だぢ經屬梁佻叩Ω鯲を促進し若手メンバーを増やしていく
  こと、
が共通課題として発議されました。

次回の国際大会本会議は、2019年に台湾で行われる予定です。

開催日2016年08月24日〜2016年08月29日
種別その他のイベント
会場マレーシア クアラルンプール 室場:ロイアルチュラン クアラルンプールホテル (区外/)
料金有料 0円
対象会員限定